アリオダンテ@パリオペラ座ガルニエ
先日初めてガルニエ宮でオペラを見てきました!
以前に劇場見学をしたことはあったのですが、演目を見るのは初めてだったのでとても感慨深かったです。
今回はヘンデルのアリオダンテというオペラで、いわゆるバロックオペラに分類される演目です。
(なんとオペラ座の裏方ストライキの影響で、初日が衣装演出なしの演奏会形式になってしまったり、次の公演が中止になってしまったりと無事に見られるかドキドキでしたが・・・幸運にも無事に見られました!)
オーケストラもクラシック以降のオーケストラと違い小規模で、今回もチェンバロ二台、リュートかな?とヴィオラダガンバが通奏低音を奏でていました。
モーツァルトなどではレチタティーヴォ(節つきセリフのような部分)がチェンバロ伴奏なのですが、今回はチェンバロ二台にリュート?とガンバが加わっていてなんとも素敵でした。
でもそもそもヘンデルのオペラはアリア(ソロ)を歌い継いでいくような感じで、あまり重唱(二人以上で歌う曲)やレチタティーヴォがないんですね。
この後の時代に、モーツァルトなどがレチタティーヴォや重唱を多用したオペラを発表した時はさぞ斬新に感じられただろうな・・・などと思ったりしました。
指揮はHarry Bicketという方だそうですが、とっても素晴らしかったです!
演出がRobert Carsenという方で、すごく素敵でした!
とにかく舞台美術と衣装が素敵で、ダンサーを使った演出も素敵。
ヘンデルの時代はダカーポアリアといって、AパートBパートと歌ったあとにまたAパートに戻るという形式をとるので一曲が長いし繰り返しが含まれるので少し冗長になりますが、そこは歌手もさることながらダンサーを使って見事に観客を退屈させない演出をしていると感じました。
スタイリッシュながらオーソドックスな演出かと思いきや・・・ラストに思わずおぉ~!と思わせる仕掛けがしてあり、私の周りの観客も思わずおぉ~という感じで面白い!と言っていました!
今回に限らずですが、バロックオペラの方が演出の余地があるというか自由度が高いようで、スタイリッシュで面白いプロダクションが多いように感じます。
日本ではなかなかお目にかかれないバロックオペラですが、もっともっと上演されたらいいのに、とずっと思っています。
歌手陣も素晴らしく、特にジネーヴラ役のプリマソプラノOlga Kulchynskaはダントツに良かったです。
最上階の最後列でもしっかりと言葉と弱音が飛んでくる上に、演奏も柔軟かつ集中力が高くとてもひきつけられました!
かなり貫禄十分なのに、まだお若くてびっくり!
バロック音楽特有のアジリタ(技巧的な装飾音)も素晴らしかったのですが、プロフィールを見たら特にバロックをメインに演奏している方ではなかったのでまたびっくり。
なんでも上手な方なんですねぇ。。
タイトルロールのEmily D'Angeloもまだ20代!だそうで、まだ音楽的に硬さを感じるところもありましたが最後までしっかり歌い切るのがすごい!
そしてとにかく舞台姿の美しいこと・・・・!!!!
まるで宝塚時代の天海祐希さんのような!?イケメンぶりで、この美しさならオールオッケー!!と言いたくなってしまいます笑
(タイトルロールのアリオダンテはもともとカストラートという高音を操る男性歌手のためにかかれた役なので、現代ではメゾソプラノなどの低声女性歌手が男装して歌う場合が多いです)
本当に素晴らしいプロダクションを、ガルニエ宮という非日常感溢れる劇場で楽しむことができてよかったです!